エンジニアとデザイナーと研究者

三位一体 (1)

最近、よく考えることがあるので、自分のためにも書いておきます。

時計をぐるっと巻き戻して、僕が学生時代に思っていたことはとかくエンジニアになりたいと思っていました。中学から工業高専に行ったのも、自分の中でそういう思いにかられていたからの事。でも、高専に行って分かったのは、とかく自分がモノづくりに向いていないということ。性格的にコツコツ頑張りそうって、、外見的には思われているみたいですが(笑)、それは決まり事を作り、フレーム化するのが得意なだけで、自分としてはズボラで、怠けるときはとことん怠けたいという性格でした。。

だから、大学でも、大学院でも、モノづくり(する機会はあったものの)よりは、物事の原理をとことん考えれることを主眼に、物理系の学問に関わるようになっていました。難しい問題を出されたときに、どういう形で解決できるかというのを考えるのが好きで、決して賢くはないものの、とことん考えつくすクセがが社会人になったときにソリューション提案するときなんかに役立っているかなと思います。

で、社会人になって、新卒のときにもう一度エンジニアになる方へ志すのですが、配属されたのはちと色合いが違う研究開発部門。結構名ばかりな研究開発でしたが、それでも普通のSEやプログラマになっていたら、ズボラな性格の僕が長くITの世界で頑張れたかどうか、、、こうした僕の性格を見抜いた、新卒時の人事の方には今さらながら感謝したいところです。

 

で、本題。

長く研究開発をしてきて、今はエンジニアという職種になって思うこと。これは今の僕の状況のみならず、IT業界、、だけでなく、他の分野のビジネスでも、今後のイノベーションを考えると、大きなビジネスを仕掛けるには上図のような三位一体で進めることが必要なのかなと思います。

 

  • エンジニアという職種は、僕の中では「そのモノを作る人」です。売っていくモノを作る人は、今後いくら人工知能やロボットが高度になり、単純な作業はどんどんとフレーム化(汎化)されるとしても、最終的には人がカスタマイズして作り出す職種はいるように思います。ある技術をとことん突き詰めた人が職人になれると考えています。
  • デザイナーという職種は、僕の中では「モノを形作る人」です。狭義な意味でプロダクトデザインするだけではなく、広義な意味ではビジネスのグランドデザインを作り、セールスをできる人も、ここに含まれると思います。少量多品種時代では如何に個人に即したサービスを提供できるかにあります。センスの良さだけではなく、人を理解し、人と人をつなげられる能力というのが、今後はより求められてくると思います。
  • 研究者という職種は、僕の中では「モノの仕組みを作る人」です。注意して欲しいのは、ここでいう研究者は研究所で働き、研究論文を書く人だけではありません。物事の仕組みをとことん追求し、どうやったら難題を解決できるのか。プロトタイプを作りながら、1つ1つのステップで確実にモノを作り上げることができる人を指します。単純に研究するだけでなく、時にはエンジニア、デザイナーを巻き込むリーダーセンスも求められてくると思います。

世には「フルスタックエンジニア」として、この3つの領域を全てを一手に行うスーパーエンジニアもいますが、世の中のサービスも、どんどん複雑化してくる時代。どうやって仕事を進めていくかということを考えると、これら3つの能力を持った人々が如何にチームを組んでいくかが、グロースしていく鍵になってくると思います。今までの経験上、エンジニアは右脳、デザイナーは左脳、研究者は両方の要素が必要になっていて、使う能力もそれぞれ違っていたように思います。自分はどの領域で勝負していくのか。少し自分がどういう能力があるかを考えてみてもいいかもしれません。

一昔前までは大学でも博士号まで行くと、アカデミアの研究者としてしか進路がなかったように思いますが、今はそういう人たちが逆に重宝されています。ドラッガーが提唱した知的労働者が共同して働く時代が、ようやく来たように思います。

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